
お小遣い制を導入している家庭は多いのではないでしょうか。小学生のお小遣い制を導入している割合とその平均的な金額を紹介します。
そもそも、お小遣い制は本当に必要でしょうか。毎月決まった額をあげるお小遣い制の本当の意味をご存知ですか。ご褒美としてお金をあげる方が社会的にも教育的にも優れています。その理由も紹介します。
お小遣いは何のためにあげている?
多くの家庭であげている、お小遣い。お小遣いを与える目的は「お金の使い方」を学ぶことです。 お金を使い、小さな失敗と成功を繰り返しながら、金銭感覚を養うことが目的です。
つまり、お金とはどういうもので、なんのためにあるのか。そして、100円でどれくらいのものが買えるのか。自分のおもちゃはどのくらいするのか。など金銭感覚を養うことが目的です。
お小遣いをあげている家庭の割合は?
金融広報中央委員会の調査によると実に70%以上の家庭でお小遣いをあげています。
<おこづかいの有無>(単位:%)
もらっている | もらっていない | 無回答 | |
---|---|---|---|
低学年 | 72.9 | 27.0 | 0.1 |
中学年 | 73.0 | 26.8 | 0.2 |
高学年 | 73.2 | 26.6 | 0.2 |
出展:金融広報中央委員会
どの頻度でもらっている?
お小遣いのもらい方をみると、低学年では、「ときどき」もらっているとの回答が6割弱で最も多く、学年が上がるにつれて、「1か月1回」もらっているとの回答が増える傾向にあります。
<おこづかいのもらい方>(単位:%)
毎日 | 1週間に1回 | 2週間に1回 | 1か月に1回 | ときどき | 無回答 | |
---|---|---|---|---|---|---|
低学年 | 4.2 | 9.3 | 1.9 | 13.4 | 57.3 | 13.9 |
中学年 | 1.9 | 7.0 | 2.2 | 32.1 | 47.8 | 9.0 |
高学年 | 1.4 | 5.9 | 1.6 | 45.0 | 38.3 | 7.7 |
出展:金融広報中央委員会
お小遣いの平均金額は?
1か月のお小遣いの大まかな平均金額は以下です。
低学年:500円程度(100円~700円程度とばらつきがある)
中学年:700円程度(500円~1,000円程度)
高学年:1,000円程度(500円~1,500円程度)
<おこづかい額(1か月あたり)>
最も多い金額帯 | 次に多い金額帯 | 平均値 | 中央値 | |
---|---|---|---|---|
低学年 | 500-700円未満〈22.6%〉 | 100-200円未満〈16.5%〉 | 1,004円 | 500円 |
中学年 | 500-700円未満〈25.8%〉 | 1,000-1,500円未満〈18.9%〉 | 864円 | 500円 |
高学年 | 500-700円未満〈37.9%〉 | 1,000-1,500円未満〈29.5%〉 | 1,085円 | 1,000円 |
出展:金融広報中央委員会
固定額のお小遣い制のデメリット

約7割近くの家庭で固定額のお小遣いをあげていることがわかりましたが、お金は毎月勝手にもらえるものではありません。労働してその対価としてもらうものが「お金」です。
小さなころ「お金」について考え、心得ておくことで社会人になったときにきっと役に立つことでしょう。
結局、おもちゃを買ってあげている
よくありがちなパターンですが、子どもが泣き叫んだりすると、おもちゃを買ってあげる家庭が多いです。子どもは、大人が思っている以上に賢いです。
1度のそのような経験すると欲しいものがあったら、泣き叫ぶなど同じ行動をするようになります。お小遣いをあげるなら、そのお小遣いの中でやりくりをするなどのルール決めをする必要があります。
このルールが守られていない家庭が多いですので、固定額のお小遣い制はあまりおすすめしていません。
何もしなくてもお金がもらえる
お金は労働の対価です。ほしいおもちゃがあっても2か月我慢して貯金して買うという習慣がついてしまうと、大人になったときに我慢しすぎる可能性があります。
お金がないから何もしないで我慢するのではなく、お金がないならどうすべきかを考える必要があります。それと同時に、お金を自分で稼ぐことの大切さを学ぶべきだと考えています。
お金との付き合い方を学んでも意味がない
お金をどのように使うのか、どのように貯金するかを学んでも意味がありません。これは、単に支出を減らす方法を学んでいるに過ぎません。
支出を減らすのではなく、収入を増やせるように考えさせましょう。
収入を増やすには、まずは労働です。労働収入を経験した後に投資など、お金が働く仕組みを学ぶことができます。そのため、小さいころから、労働というものをしっかり学んでおく必要があります。
何かをしてその対価としてもらうものが、「お金」であると教育する方がいいでしょう。
歩合のお小遣いを少しずつ導入しよう

低学年の頃は、家の手伝いをして、その対価として「お金」をあげるのは難しいかもしれません。そもそも、できる範囲が限られています。
その場合は、少しずつでかまいません。固定額とお手伝いの報酬を織り交ぜながらすることをおすすめします。
お手伝いの報酬は、何でも構いません。例えば、掃除、洗濯、食器洗いなど、家事を労働とする家庭が多いですね。1つ懸念されることは、お金がないと何もしなくなる大人になるのではということです。
問題ありません。考えてみてください。毎日働いている人は「お金」をもらっています。「お金」がもらえなかったら、会社に行きますか?行きませんよね。それと同じです。
何かをするには、自分の時間を使っています。その時間を切り売りしていることも教育することができますし、時間管理ができる子になります。
補足ですが、報酬はなんでもいいんです。例えば、テストで満点とったらとか、毎日しっかり朝起きしたらとか、苦手な野菜を食べれるようになったら、などなど。
まとめ
お小遣いは、7割以上の家庭であげている。
1か月のお小遣いの大まかな平均金額は大体500円~1,000円程度。
お小遣い制のみはよくない。お小遣い制と報酬制を織り交ぜることがおすすめ。
お小遣い制は、支出を減らすことしか教育できない。報酬制は、収入を増やすことを教育できる。